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第6回「ハクサイづくりのワンポイント」

■日本人になじみの深いハクサイ


黄ごころ85

 鍋物料理に欠かせない野菜がハクサイです。日本人にとってハクサイはなじみの深いものですが、日本で本格的に作られるようになったのは日露戦争以降で、比較的新しい野菜になります。昭和25年(1950年)タキイ種苗より世界初のF1品種(一代雑種)長岡交配『一号』白菜が発表され、揃いがよく作りやすい品種が世の中に出回るようになり、一層の普及が図られていきました。
 本来、“白菜”と呼ばれる通り玉の中は白かったのですが、近年黄色の品種(黄芯系)が主流になっています。核家族化が進みスーパーなどで1玉売りから、半玉や1/4などのカット販売が増えた結果、中身が白より黄色い方が見た目がよいことからだんだん品種が変化してきました。白菜という名前が、将来“黄菜”になってしまうかもしれません。

■栽培におすすめのハクサイの品種


オレンジクイン


プチヒリ

 おすすめの品種は、黄芯系で3kgぐらいまで大きくなり、作りやすくておいしい『黄ごころ85』、中が鮮やかなオレンジ色で、2.5kgぐらいの大きさになりサラダにも向く『オレンジクイン』。また珍しいタケノコ形で、重さが800gぐらいのミニハクサイ『プチヒリ』は、プランターでも栽培しやすいのが特長です。

■ハクサイ栽培のワンポイント

 ハクサイ栽培のコツは、まず生育初期に外葉を大きく育て、しっかりと根を張らすことです。そのために植え付け(定植)後、2週間までに追肥をして初期の生育を促します。1株ごとに化成肥料を軽くひとつまみ与えるようにしましょう。
 一番のポイントは外葉が大きくなって、芯葉が立ち上がり結球を始めようとする時に追肥と病気の予防をすることです。人間でいうと中学生〜高校にかけての第2次成長期にあたり、どんどん葉が増え、最盛期では1日あたり1〜1.5枚の葉が作られていきます。したがって養分と水分を必要とするので、この時期にしっかりと追肥を与えるとともに、病気にかからないよう予防の殺菌剤を散布します。
 ハクサイは根こぶ病が発生しやすく、石灰資材を投入して酸性土壌を改善するとともに定植前にネビジン粉剤などの農薬を土に混和するようにします。品種は幅広い耐病性をもつ『きらぼし』シリーズを利用するとよいでしょう。

(タキイ種苗 広報出版部 奥本和夫)

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