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第7回「ダイコンづくりのワンポイント」

■古くから栽培されていたダイコン


耐病総太り

 ダイコンは古くから栽培されており、奈良時代以前より食べられていたと考えられています。白い根にちなみ春の七草でも“すずしろ”と呼ばれていました。日本各地で品種が分化し、世界一大きい『桜島大根』や世界一長い『守口大根』など数多くの地方品種が生まれました。そのことから日本のダイコンは、英語でジャパニーズ・ラディシュもしくは“DAIKON”と呼ばれています。

■栽培におすすめのダイコンの品種


早太り聖護院


三太郎

 家庭菜園でおすすめの品種は、青首ダイコンを世の中に広め、その栽培しやすさから現在でも家庭菜園の定番『耐病総太り』、肉質が緻密で煮たきに向く丸ダイコン『早太り聖護院』、秋から春まで3シーズンも播種可能で、大きさも株間によって変えることができ、プランター栽培にも向く『三太郎』になります。

■ダイコン栽培のワンポイント

 栽培のコツは、品種によってタネ袋の裏やカタログに記載されているタネまきの時期(播種期)を守ることです。秋にまくダイコンには年内どり中心の「品質のよい適期どり品種」と冬どり中心の「在圃性(畑に置いておける)のある寒さに強い品種」の2つがあります。9月上旬には年内どりの品種を、9月下旬には冬どりの品種を使い分けてまくようにしましょう。年内どりの品種は、収穫が遅れると割れやス入り(内部がスポンジ状になること)が多くなり保存がききません。また冬どり品種を早まきすると大きくなりすぎて、曲がり、割れ、ス入り、空洞などが発生して年明けまで持ちません。近ごろは温暖化の影響で残暑が厳しくなっており、生育が進みやすいので播種期には注意するようにしてください。

 根菜類は生育の前半は根が縦に伸び、あとの後半は横に伸びる(太る)のが基本です。ダイコンも根の長さは生育初期で決まり、本葉5〜6枚までの時期に順調に生育させることで短根や又根の発生が少なくなります。収穫した時に短い場合は、生育初期に乾燥や過湿などのストレスで根が伸びなかったことが考えられます。生育中期以降は根の太さが決まるため、この頃に肥料分や水分が少ないと太りが悪くなります。また間引きが遅れてしまうと太りが悪くなりますので、本葉5〜6枚のころまでに最終間引きをしておきます。この時に追肥と土寄せを同時に行なっておくと、後半の生育が順調になり太りのよいダイコンが収穫できます。

(タキイ種苗 広報出版部 奥本和夫)

ダイコン播種のコツは、2回に分けて播きましょう。

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