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第9回「エンドウづくりのワンポイント」

■エンドウの種類


久留米豊

 エンドウには、大きく分けて「絹莢エンドウ」「スナップエンドウ」「実とりエンドウ(グリーンピース)」の3種類があります。特にスナップエンドウは大きくなっても他のエンドウのように莢がかたくならず、莢、子実とも食べることができ、甘みがあるので子供たちにも人気です。ちなみに、中華料理によく利用される「豆苗」は、エンドウの若い茎葉を摘み取ったものです。豆類は連作を嫌いますが、特にエンドウとソラマメは連作に弱く収量が半分以下になることが多くあります。3〜5年は同じ場所で作らないように栽培計画を立てるようにしましょう。

■栽培におすすめのエンドウの品種


グルメ


成駒三十日

 家庭菜園におすすめの品種は、大莢肉厚で、甘みが強いスナップエンドウ「グルメ」。耐寒性が強くたくさん収穫でき、やわらかくて歯切れのよい絹莢エンドウ「成駒三十日」。実とり専用種、大莢で大粒の甘いグリーンピース「久留米豊」になります。

■エンドウ栽培のワンポイント

 エンドウ栽培のコツは、うねを高くして通路の排水をよくすることです。エンドウは根が深く張る性質をもち、通気性を好み水分が多い畑を嫌う作物です。排水不良の畑では、根腐れを起こし枯れ上がりや病気の原因になります。ふかふかした土と排水のよい土地ではたくさん収穫できます。また土壌が固くなって土壌中の酸素が少なくなると、生育不良をおこすのでレーキなどでうねの表面を中耕する必要があります。
 10月〜11月に播種して幼苗で越冬しますが、本葉2〜3枚ぐらいが最も耐寒性が強く、年内に生育が進みすぎると寒害を受けて枯れてしまう恐れがあります。その時は寒冷紗や不織布で覆い、風に飛ばされないようにしっかり押さえてください。2月下旬ごろからつるが伸びはじめるので、この時期に覆いを外し、支柱を立ててネットを張り、追肥を与えるようにします。またエンドウは生育期間が長いので、開花期と莢が大きくなる時期、収穫始めの時期にも追肥を行うようにしてください。
 エンドウは、分枝してつるが次々と伸びてきます。1次分枝、2次分枝、3次分枝と分かれていきますが、3次分枝以降は1、2次分枝程花がつきません。日照不足で莢つきが悪くなるので、十分に光が当たるよう枝の整理をします。3月下旬以降に出たつるは早めに取り除くとともに、つるとつるの間が等間隔(10〜15㎝ぐらい)になるよう随時、誘引(つるの向きを変える)するようにしましょう。

(タキイ種苗 広報出版部 奥本和夫)

エンドウの整枝3月下旬までに出た分枝を残し、それ以降に分かれた枝を取り除くエンドウの誘引つるの伸びる方向をかえ、等間隔に配置する

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