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第29回「ラッカセイづくりのワンポイント」

■ラッカセイの種類


おおまさり

 ラッカセイ(落花生)は、花の基部(子房柄)が伸びて花(子房)を押し出し、受精後4~5日で土の中に入り肥大をはじめ、結実するのでその名前がつきました。南京豆やピーナッツと呼ばれ、日本で栽培されるようになったのは明治に入ってからです。
 野菜には珍しく主成分は脂質で、そのほかにはタンパク質、ビタミンB、E、食物繊維などを多く含んでいます。落花生の脂肪分は動物の脂肪と違ってコレステロールはなく、含まれるオレイン酸という脂肪分は悪玉コレステロールを減らす働きがあります。
 煎り豆、バターピーナッツ、ピーナッツバター、ラッカセイ味噌などで食べられ、莢がおおむね肥大してまだ完熟していないものはゆで豆として利用されます。

■栽培におすすめのラッカセイの品種


半立性落花生

 タキイでおすすめする品種は、半立性(少し広がっているが葉や茎が立つ性質)、生育旺盛で品質のよい2粒莢が多く取れる中粒種の「半立性落花生」、莢が普通品種の2倍あり子実が大粒でやわらかく甘みがあって食味のよい「おおまさり」になります。

■ラッカセイ栽培のワンポイント

 ラッカセイはマメ科植物なので、根粒菌の働きでチッソ分が固定され肥料分が少なくても生長してくれます。しかし石灰分が不足すると空さやが出やすくなるので、栽培する前に施用するようにしましょう。
 発芽には20℃以上必要で、1週間から10日かかります。低温に弱いので温度が確保できる5月中旬から6月が播種時期になります。畑に直接タネをまいてもよいですが、鳥害を避けるため6㎝ポットで育苗し、本葉2、3枚で定植するとよいでしょう。マルチを利用すると雑草抑制と夏場の乾燥防止になります。土に伸びてくる子房柄はフィルムを突き抜けて入っていくので、マルチを使っても心配ありません。うね幅80㎝、株間25~30㎝で植え付けます。
 子房柄が土中に入り莢の肥大が始まる時期に、1株に軽く一つまみの化成肥料を施し、定期的に水やりをして乾燥を防ぎます。この時期に肥料分と水分が不足すると莢の肥大が悪くなり品質も低下してしまいます。
 ラッカセイの収穫時期の判定は難しいですが、下枝が枯れ始めたころ試し掘りし、さやの網目がはっきりしてきた時やさやの中の実の色で判断します。目安としては花が咲いてから85~90日程度で収穫できます。掘り起こした落花生は茎葉を下に莢を上にして天日乾燥します。これを地干しといい10日ほど莢を乾燥させます。

(タキイ種苗 奥本和夫)

ラッカセイの莢(さや)ができる方法受精後、4〜5日たつと子房柄が地面に向かって伸び始め、土の中に入る。土中で莢(さや)が太る

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