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第30回「ゴマづくりのワンポイント」

■ゴマの種類


白ごま

 ゴマはアフリカのサバンナが原産で、5000年以上前から栽培されていたといわれています。
 栽培されたのは油(脂質)が多いためで、油の原料(油糧種子)の重要な作物として各地に広がっていきました。
 料理の主役になることはありませんが、なくてはならない食材で、種子の白色のものを白ゴマ、黒色のものを黒ゴマ、黄褐色のものを金ゴマと呼んでいます。特に金ゴマは最も香気が強く高級な料理に使われることが多いゴマです。季節の緑黄色野菜をゴマで和えた「ごま和え」は、日本食の代表的なものとして挙げられるでしょう。「ゴマ化す」という言葉は、どんな食材でもゴマで調理すればおいしく食べられるものに化けることからできたといわれています。
 ゴマの成分は脂質が50%前後と高いため油として世界的に利用されており、リノール酸やオレイン酸が多く含まれています。セサミンなどの成分からなるゴマリグナンは抗酸化性にすぐれ血中の中性脂肪を減らし、血圧上昇を抑制するなど生活習慣病予防に効果があります。健康効果をねらった1日あたり摂取量は大さじ1杯分(約10g)といわれています。

■栽培におすすめのゴマの品種


ごま王


黒ごま

 タキイでおすすめする品種は、実の色が褐色~淡褐色で機能性成分をもつセサミンなどのゴマリグリン含量が多い「ごま王」、あまり土地を選ばず、どこでも栽培しやすい「白ごま」「黒ごま」になります。ゴマの花は夏にも可憐で、きれいなので観賞用としても楽しむことができます。

■ゴマ栽培のワンポイント

 「日照りゴマ」といわれるほど、高温、高日照を好み旺盛に生育します。根は多湿を嫌うので、排水の悪い畑では高うねにするとよいでしょう。発芽適温が25〜35℃なので、温度が上がってくる5月中旬から6月上旬にまきます。うね幅60cm、株間15cmで、1穴に4、5粒まきます。マルチを利用すると雑草防止になります。
 間引きは本葉が4枚程度の時と草丈が10cm程度の2回行い、1本仕立てにします。間引き後は土寄せを行います。生育が順調であれば、追肥は特に必要ありません。
 花は葉腋(茎と葉の付けね部分)に下から順番に咲き、そこに種が入った莢(朔果と呼び4つ程の部屋があり、その中にたくさんの種をつくる)ができます。
 8月に入り、胸ぐらいまでの大きさになれば花の咲いている所から上の部分をハサミで切り取り、下の実に十分養分が行くようにします。
 収穫時期は8月下旬〜9月になりますが、成熟の時期が同じではないので下葉が黄変し、下の莢が2、3個割れ始めたころを目安に、株全体を刈り取って収穫し、葉や花を摘み落として雨のあたらない場所で2〜3週間乾燥し追熟させます。

(タキイ種苗 奥本和夫)

ゴマの収穫下葉が枯れ、朔果が黄変し、2〜3個裂けはじめて
きたころに根元から刈り取り、乾燥させ追熟させる。

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