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第8回「タマネギづくりのワンポイント」

■世界中で生産されているタマネギ


ネオアース

 タマネギは世界でも生産量の多い野菜で、色々な料理に使われており、保存性にもすぐれ重要な品目の一つです。エジプトのピラミッド建設の際に、タマネギを食べていたという記録があり、かなり古くから食用にされていました。しかし日本に入ってきたのは明治時代になってからで、北海道と大阪に導入されたものが普及したと言われています。現在、北海道で作られる春まきの品種と本州で作られる秋まきの品種に分けられます。タマネギには、抗酸化作用があり動脈硬化予防するケルセチンという成分が含まれており、現在タキイではその含有量の多い品種の開発を進めています。

■栽培におすすめのタマネギの品種


アトン


ソニック

 家庭菜園でおすすめの品種は、株間を広げればソフトボールぐらいの大きさになり、辛みが少なくサラダなどの生食に向く「アトン」、肉厚で甘みが強く、2〜3月まで吊り貯蔵が可能な中晩生種「ネオアース」、5月上旬に収穫できる早生種で、病気に強く作りやすい「ソニック」になります。

■タマネギ栽培のワンポイント

 栽培のコツは、タネ袋に書いてある播種期を守ることです。播種時期が早すぎると生育が進み、苗が太くなってしまいます。また遅すぎると小苗になってしまい越冬時に枯死することが多くなります。苗を育てる(育苗)期間を55〜60日、苗の太さが5mmを目安にして畑へ植え付ける(定植する)ようにします。
 タマネギ栽培で問題になるのは、とう立ち(抽苔)です。春先から収穫間際になってネギ坊主と呼ばれるものができ、そちらに養分が取られてしまい、玉の品質が極端に低下して収穫できない場合もあります。ある一定の大きさになった苗が低温にあってスイッチが入り、春に日が長くなって(日長)とうが伸びはじめます。大苗で越冬することが一番の原因となり、適期の苗を植え付けることが大事になります。
 追肥は1月と2月に1回づつ、3月の上旬に止め肥といって最後の追肥を与えます。これ以降に追肥をすると後半急激に肥大して、腐敗や病気の多発し、貯蔵性が極端に悪くなります。
タマネギの重要病害である「べと病」は葉の一部が黄色くなって、やがて葉全体に広がっていく病気で、5月からは1週間ほどで一気に広がり葉が枯死してしまいます。べと病に対しては薬散防除するしか方法はなく、病気を発見したらすぐに農薬を散布しまん延を防ぐようにしましょう。

(タキイ種苗 広報出版部 奥本和夫)

タマネギのよい苗は?育苗日数が55〜60日程度の根張りのよい若苗は、定植後の活着がスムーズで、タマネギをうまく栽培する第一歩となります。

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