園芸TOP >  > 第32回「春キャベツづくりのワンポイント」

第32回「春キャベツづくりのワンポイント」

■春キャベツの種類


春ひかり七号

 秋にまき、春から初夏に収穫するキャベツを「春キャベツ」と呼びます。春キャベツは、葉の色が鮮やかな緑で光沢があり、葉の巻きはゆるく形は丸型で、みずみずしくてやわらかく甘みがあっておいしいのが特長です。サクサクした食感はジューシーで、主にサラダや生食で利用されます。1年の中で、定植時期から収穫までアオムシやコナガなどの被害が少ない時期にあたり、殺虫剤の使用が少なくてすむ作型になります。また雑草の発生も少ないため比較的栽培しやすいと言えます。ただし葉が良質なので、収穫が遅れると裂球が多くなるので、品種を使い分け収穫時期をずらすなどの工夫が必要になります。
 現在、品種の改良が進み春キャベツの良質感をもつ「春系」と呼ばれるタイプがあり、「浜岬」「輝岬」「潮岬」など秋~冬にも栽培できる品種もあります。

■栽培におすすめの春キャベツの品種


味春


春波

 家庭菜園でおすすめの品種は、秋まきで春一番に収穫でき、栽培しやすい「春ひかり七号」、葉質がやわらかく、ジューシーで食味のよい「味春」、作りやすくて、球内の黄色みが強く品質のよい「春波」になります。

■春キャベツ栽培のワンポイント

 春キャベツの栽培で一番問題になるのが、とう立ち(抽苔)です。とう立ちは越冬の際、葉の枚数が多いと感応し花芽分化(花の赤ちゃんのようなもの)をおこして、春の気温が高くなると芯がどんどん大きくなりやがてとうが立ってきます。畑でのストレス(過湿、乾燥、肥料不足)でもおこりますが、普通の状態では本葉9~10枚程度で越冬すると、とう立ちしにくいと考えられています。
 播種期(9月下旬~10月中旬)をしっかり守り、早まきしないようにしてください。定植も早まると年内の生育が進みすぎ(葉の数が増える)て、抽苔の原因になります。育苗中は防虫ネットや寒冷紗などを利用して、苗に害虫がつかないようにします。
 定植は11月ごろで小さな苗の場合、気温が低いので活着(新しい根が張ること)に時間がかかるので、本葉6~7枚ぐらいで行なうのがよいでしょう。定植後は冬の寒さと乾燥に耐えるよう、根を深く広く張らせることが大切です。
 秋まきは栽培期間が長く、低温時の肥料吸収が少なくて、春からの地温上昇とともに急激に吸収が増加するので追肥が重要になります。2月と3月に1回ずつ追肥を行って、外葉の生育を順調に進め、結球がはじまる2週間前には根が肥料分を吸収できる状態にしておくようにしましょう。

(タキイ種苗 奥本和夫)

①春キャベツのポット育苗根張りをよくするため、ポリ鉢に直接 まくとよいでしょう。
②育苗中の害虫を防ぐ防虫ネットで(サンサンネットなど) トンネル全体を覆う※下に隙間があると、害虫が侵入しやすくなるので、しっかりと四方を土などで押さえておきます。

園芸TOP >  > 第32回「春キャベツづくりのワンポイント」
新規会員登録

全国のあすたいむ倶楽部