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第24回「ニンニクづくりのワンポイント」

■ニンニクの種類


ホワイト六片

 ニンニクの歴史は古く、古代エジプトではピラミッド建設の際、強壮剤として労働者たちに与えていたと伝えられています。ニンニクにはアリシンを初めとして、多種類のイオウ化合物が含まれており、その中のジアリルスルフィド、アリメチルスルフィドなどのイオウ化合物に発ガン物質を不活性化する酵素や、体外に排出する解毒作用(デドックス)を促進する作用が報告されています。
 アメリカでは、食事によるガン予防を目的としたプロジェクト「デザイナーフーズ・プログラム(ガンの予防を目的として設計された食品)」があります。アメリカ国立ガン研究所を中心として、ガンの予防に対して食品がどのような機能を果たすのかを科学的に解明し、その中でもっとも効果が高い食品として頂点に位置づけられたのがニンニクでした。

■栽培におすすめのニンニクの品種


平戸ニンニク


ジャンボニンニク

 家庭菜園でおすすめの品種は、冷涼地向けの品種で、色白で品質がよく鱗片を6個程度付ける「ホワイト六片」、暖地向けで生育旺盛、鱗片数が8〜10個程度の早生種「平戸にんにく」、1鱗片が50〜80gの大型種でにおいが少なくまろやかな味の「ジャンボにんにく」になります。
 球の肥大には、温度(低温)が関連しており、その低温要求度は品種や系統によって異なります。一般に暖地向けの品種は低温要求度性が低く、東北などで栽培されている品種は強い傾向にあります。このため寒冷地向けの品種を暖地で栽培すると、球の肥大が悪く収穫期が遅れて病害が多発し貯蔵性も悪くなるので、品種を選ぶ際は注意するようにしましょう。

■ニンニク栽培のワンポイント

 種球の植え付けは、9月〜10月にかけて行います。鱗片(種球)を1個ずつ分け、株間12〜15cmで、発根部を下にして5〜7cmの深さで植え付けます。黒マルチを使って栽培すると、生育が旺盛になって収穫が早くなり球も大きくなります。
発根して萌芽し、年内に葉が4〜6枚ほど出ますが、その後冬の低温によって生育が止まります。翌春、気温が上昇してくると再び生育が始まり、葉が7〜8枚出たころから球が肥大してきます。
 2月と3月に1回ずつ、球が順調に肥大するように化成肥料を追肥します。4月には花蕾が発生(とう立ち)してくるので、10cmぐらい伸びてきたら摘み取るようにしましょう。花蕾を残しておくと、養分が取られてしまい、球の肥大が悪くなります。
 葉が枯れ始めても球は肥大を続けており、葉が30〜50%ほど黄変したころが収穫適期です。晴天の日を選び収穫し、収穫後も雨に当てないよう軒先などにつり下げて乾燥させ保存するようにしましょう。

(タキイ種苗 広報出版部 奥本和夫)

花蕾(とう立ち)摘み春になると、花蕾が発生してくるので、10cmくらい伸びてきたら早めに摘み取りましょう。

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