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第28回「トウガンづくりのワンポイント」

■トウガンの種類


姫とうがん

 冬瓜(トウガン)は、果皮が厚く涼しい場所であれば夏から冬まで貯蔵することができることから「冬の瓜」と呼ばれこの名前がつきました。また京都の加茂地方で栽培が盛んに行なわれていたことから「カモウリ」とも呼ばれています。
 原産は熱帯アジアで、他のウリ類より耐暑性があり生育適温が広くて栽培しやすく茎、葉、幼果には白色の粗毛が見られます。果実の重さが1kgの小型品種から15kgの大型品種まであり、成熟すると果皮に白い粉(ロウ物質)が出てくるものと出てこない品種があります。白い粉を出すのは、果実表面の日焼けを防ぐためといわれています。果実は水分が96%で、ほとんど味がないため煮物や味噌汁、酢の物など味付けをする料理に用いられます。

■栽培におすすめのトウガンの品種


長とうがん


大丸とうがん

 タキイでおすすめする品種は、俵形で果皮は濃緑、交配後25〜30日で収穫でき、果重が1.5kgのミニトウガン「姫とうがん」、長さが40〜50cmの円筒形で果皮に白粉がでる大型種の「長とうがん」、直径30cmの丸形で果皮に白粉がでる巨大果「大丸とうがん」になります。

■トウガン栽培のワンポイント

 トウガンは病気に強く、高温環境下でもよく生育します。高温性で、多日照を好むので日当たりのよい畑を選びます。タネは種皮が厚く吸水しにくいので、1昼夜水に浸してから9cmポットに直接まくようにします。
 生育が旺盛でつるがどんどん伸びていくため、うね幅3m、株間1mと広めに栽培し、本葉3〜4枚程度の苗を植え付けます。マルチを利用すると土壌中の水分を保持するので、果実の肥大がスムーズに進みます。
 トウガンは親づるに雌花がほとんどつかないので、親づるが本葉5〜6枚の時に生長点を取り(摘心)、生育のよい子づるを4、5本伸ばします。その際、子づるが重ならないよう誘引するようにしましょう。子づるの15〜20節につく2番花に人工交配(雌花に雄花の花粉をつける)して、着果させます。
 追肥は着果後20〜30日を目安にして通路に行います。その後は、つるの先端部が上向きなら草勢がよい状態で、下向きになってくると草勢が弱っているため早めにこのタイミング追肥を施すようにします。
 長、大丸トウガンの収穫目安は、開花後40〜45日程度のときですが、利用したい大きさになったら随時収穫しても構いません。トウガンは株が長い期間もつので、収穫も2回目、3回目と続けることができます。

(タキイ種苗 奥本和夫)

①トウガンの摘芯親づるは5~6節で摘芯し、伸びのよい子づるを4本伸ばす。②トウガンの整枝スイカやカボチャと同様、雌花は子づる上へ定期的に着花します。15節以降についた雌花に着果させ、初期はつる当たり2果を目標にします。

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