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第20回「ナバナづくりのワンポイント」

■ナバナの種類


冬華

 菜花(ナバナ)は、江戸時代まで種子からナタネ油をとるためだけに栽培されていました。独特のほろ苦さと香りを持つ緑の花蕾を食用として利用されるようになったのは、明治時代に入ってからです。秋まきして年内から早春にかけて収穫でき、季節感の感じられる野菜です。
 ナバナは「菜の花」「花菜」とも呼ばれるアブラナ科の野菜で、大きく分けて2タイプがあり、花蕾を主体に収穫する花菜(B. campestris L.)と、抽苔した茎葉を利用するもの(B. napus)があります。現在、主に「菜の花」として販売されているのは花菜の種類になります。栄養価が高く、ビタミンA(カロテン)、ビタミンCやカルシウムなどを多く含む緑黄色野菜で、漬物やおひたし、あえものなどに利用できます。

■栽培におすすめのナバナの品種


秋華


食用菜の花

 家庭菜園でおすすめの品種は、トウ立ちが早くて年内から早どりできる「秋華」、生育旺盛で耐寒性が強く、長期にわたって摘みとれる「冬華」、苦味の少ない黄葉系で菜の花漬や切花として利用できる「食用菜の花」になります。

■ナバナ栽培のワンポイント

 タネまきの時期は、一般地で9月になります。早まきするとウイルス病や軟腐病にかかったり、年内に伸びすぎて寒害を受けやすくなります。遅まきでは株の生育が悪く、小株のうちに花が咲き収量が落ちてしまいます。
 畑に直まきするか育苗して植え付ける方法があります。直まきの方が、根の張りがよく生育も早いため栽培しやすいですが、幼苗期の虫害や乾燥による生育のムラができやすくなります。条間30cm、株間30cmで1カ所4〜5粒まき、本葉4〜5枚までに2、3回間引きを行い最終1本立ちにします。
 播種後か定植後にトンネル支柱を使って防虫ネットを被覆すると、生育初期での害虫の被害を軽減できます。草丈が伸びてネットにあたるようになれば、ネットを外すようにしましょう。
 育苗して定植する場合は、播種後30日くらいで本葉4〜5枚の時に、根を切らないように気をつけて、直まきと同じ株間で定植します。苗が活着するまでは十分に水やりをして乾燥に注意しましょう。冬に入るまでにできるだけ生長させておくことが、太くやわらかい良質の花蕾を収穫するポイントです。
 1回目の追肥は本葉が7~8枚目のころに行い、その時に軽く土寄せします。 その後の追肥は、収穫期が長いので肥料切れしないように行います。株のできや収穫回数に応じて追肥を行い、目安として花茎が伸び始めたときに1回と、収穫がはじまれば月1回のペースで施すようにしましょう。
 収穫は主茎が30cmくらいに伸びた時に頂芽を摘みとります。その後は、花蕾がふくらみ12〜15cmに伸びた花茎を開花前のやわらかい時に収穫します。

(タキイ種苗 広報出版部 奥本和夫)

(収穫)花蕾が大きく膨らみ、開花直前になったら、茎葉をつけて摘み取る早どりせず、花蕾が大きく膨らむまで待って収穫しましょう。開花してからでは収穫遅れになります。

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