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第13回「サトイモづくりのワンポイント」

■サトイモの種類


土垂れ

 サトイモ(里芋)は、熱帯アジアが原産地です。生育適温は25〜30℃と高温を好む野菜で、雨の多い湿った環境が適しています。山芋が「山にあるイモ」というのに対して、里芋は「人里でつくられているイモ」という意味になります。縄文時代から栽培されており、古くから祭りや慶事に用いられるなど、日本の文化や行事に深く浸透しています。
 各地で色々な名前で呼ばれていますが、親イモを食べるのは「タケノコイモ(京イモ)」「タイモ」、子イモを食べるのは「土垂れ」「石川早生」、親イモと子イモの両方を食べるのが「八ツ頭」「唐芋(えび芋)」「赤芽大吉」「セレベス」、またずいき(サトイモの茎)を食べるのは「八ツ頭」「唐芋」「タイモ」になります。

■栽培におすすめのサトイモの品種


石川早生


八ツ頭芋

 家庭菜園でおすすめの品種は、定番の品種で栽培しやすくて、きめが細かく煮崩れしにくい「土垂れ」、ぬめりがありねっとり感が強く、イモのつきがよくて病気に強い「石川早生」、栗のようなほっくり感があって風味があり、ずいきも食べれる「八ツ頭」になります。

■サトイモ栽培のワンポイント

 サトイモは露地栽培では4月中旬ごろ、地温が15℃以上なったときが植え付け時期です。種イモを植え付ける際のポイントは、頂芽(種イモの尖った部分で切り口の反対側)から地表まで深さを10cmにそろえることです。
 植え付け後30〜40日程度で出芽が始まり、10日程度で芽が出そろいますが、1つの種イモから2つ以上の芽が出た際は、葉が2〜3枚のぐらいの時に太くて強い芽を1本残し、他の芽は株元から除去します。
 葉が5〜6枚に展開すると子イモがつき肥大を始めますので、この時期に1回目の土寄せ(5cm程度)と追肥を行います。2回目は孫イモが肥大を開始する7月中下旬から8月上旬にかけて、さらに10cm程度の土寄せと追肥をしましょう。
 梅雨明け後、雨が降らない場合は、うねの上にワラなどを敷いて乾燥を防ぐとともに、週に1〜2回程度水をたっぷり与えるようにしましょう。真夏の乾燥で、せっかくのイモが大きくならないことが多いので注意が必要です。
 親イモの葉が霜に1〜2回あってから枯れるので、この時期が収穫適期になります。早生品種は9月から収穫できます。収穫したイモは、紙の袋などに入れて乾かないようにし、冬場は気温が5℃以下にならない温度を保つと長く保存できます。

(タキイ種苗 広報出版部 奥本和夫)

①サトイモの生育とイモの太り方②種イモの植え付けと培土植え付けの深さは10cm程度

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