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第34回「メキャベツづくりのワンポイント」

■メキャベツの種類


子持甘藍

 メキャベツはキャベツの仲間で「子持甘藍(こもちかんらん)」とも呼ばれ、キャベツの茎が長く伸び、わき芽が発達して小さく結球(芽球)するようになったといわれています。ベルギーのブリュッセルの近くで古くから栽培され発達したため英名でも“Brussels sprouts”になっています。ヨーロッパで普及したのは19世紀に入ってからで、日本に導入されたのは明治になってからでした。
 栄養価は、キャベツより高いといわれており、ビタミンCが豊富に含まれています。下処理が簡単でクセも少ないので、炒めもの、シチュー、煮物、和え物、天ぷら、すき焼き、漬物など西洋、中華、日本料理を問わず何にでも使えます。アク抜きをする場合は、芯の中央に十文字の切り込みを入れ、塩ひとつまみを入れた鍋の中で1分ほどさっとゆでます。熱を加えて食べる場合は、下ゆでなどせずにそのまま使ってしまって大丈夫です。

■栽培におすすめのメキャベツの品種


早生子持の苗


生育初期

 家庭菜園でおすすめの品種は、作りやすくてメキャベツの代表品種である「早生子持」になります。耐暑性が強く、適期の栽培では定植後90日程度から収穫でき、上手に栽培すれば1株から70〜90球程度収穫できます。

■メキャベツ栽培のワンポイント

 メキャベツはキャベツと同じように冷涼な気候を好み、20℃前後が生育適温になります。
 生育には時間がかかり、定植時期(8月)が遅れると茎が伸びず芽球の数が少なくなるので注意しましょう。生育初期にはキャベツのような草姿をしていますが、しだいに節間が伸び、葉のつけね部分で芽球になります。良質の芽球の形成には、株が充実して生育すること、展開葉数が40枚以上あること、結球適温が5〜10℃になることが必要になります。また株元まで光を入れることが大事になるので、うね幅90cm、株間は50〜60cmとキャベツより広くします。
 定植の20日後に、1回目の追肥を行います。その後、1カ月ごとに追肥を施し、株が倒れないように中耕と土寄せを行なうようにしましょう。株が倒伏すると生育が劣り、芽球の品質が落ち、作業性も悪くなるので、必要に応じて支柱を立てて誘引するとよいでしょう。
 芽球が生育するにしたがい、本葉の葉柄が芽球を圧迫して、不整球になりやすいので結球が確認できた段階で上の葉を10枚ほど残し、それ以下の葉は根元からかきとります。芽球が完全に結球し、適期の大きさに達したものを、下部から順次かき取って収穫します。芽球が大きくなりすぎると割れてくるので、直径2.5〜3cmぐらいで順次収穫していきます。

(タキイ種苗 奥本和夫)

メキャベツの摘葉・芽球処理結球が進むにつれて、下のほうの勢いの弱った葉から順次摘み取る上のほうの葉10枚くらいは最後まで残す育ちの悪い、結球しない、病気にかかったなどの
芽球は早めにかき取る

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