園芸TOP >  > 第22回「ホウレンソづくりのワンポイント」

第22回「ホウレンソウづくりのワンポイント」

■ホウレンソウの種類


早生サラダあかり

 タキイがアンケート調査で「栄養価が高いと思う野菜は何か」と質問した所、1位になったのがホウレンソウでした。昔の方は、ホウレンソウと言えば元気モリモリ「ポパイ」を連想しますが今の子供も知っているのでしょうか。
 ホウレンソウは西アジア原産で、ペルシャ(現在のイラン)で栽培されていましたが、シルクロードを通じて中国にも伝わりました。ちなみに名前の由来で“波稜(ほうれん)”とは中国語でペルシャを意味しています。日本には江戸時代に中国から葉に切れ込みのある東洋種が、明治以降は丸葉でとう立ち(抽苔)しにくい西洋種が導入されました。現在の品種は西洋種と東洋種を掛け合わせた交配種が主流となっています。

■栽培におすすめのホウレンソウの品種


強力オーライ


メガトン

 家庭菜園でおすすめの品種は、珍しい葉軸が赤色のタイプで、アクが少なくサラダに向く「早生サラダあかり」、株張りや株揃いがよく、葉が肉厚でやわらかくておいしい「強力オーライ」、低温期に生育が旺盛で栽培しやすく、特に12月~2月の冬どりに向く「メガトン」になります。

■ホウレンソウ栽培のワンポイント

 栽培のコツは、生育期間が秋どりの場合1カ月~1カ月半と比較的短いので一斉に発芽させることが大事になります。そのため発芽を揃えるには、まき溝の深さと覆土の厚さを均一にすることがポイントです。まいた所に凸凹があると、発芽が不揃いになりやすいので棒などを土に押し込んで、まっすぐで平らなまき溝を作り、覆土した後は板などでしっかりと鎮圧(上から土を押さえる)するようにしましょう。少し大変ですが1cm間隔で播くと、後からの間引き作業が楽で管理しやすくなるのでぜひ実践してください。
 また、間引きのタイミングを遅らせないようにします。間引きが遅れると軟弱徒長してしまい、葉や軸が細くなり病気がかかりやすくなります。葉と葉がふれ合う時期に、本葉2~3枚目までに3回程間引きを行います。最終の株間(株と株の間)は5cm程度にして
 がっちりと育つようにしてください。間引きした葉は、ベビーリーフとしてサラダなどで食べることができます。間引きは、気付いたらまめに行なうようにしましょう。
 害虫を防ぐには、トンネル支柱などを利用して「防虫ネット」を生育期間中覆っておくとよいでしょう。播種後すぐに防虫ネットの裾をしっかりと土で被せるようにします。虫を防ぐとともに、農薬を極力減らして安全・安心なホウレンソウを栽培することができます。

(タキイ種苗 広報出版部 奥本和夫)

ホウレンソウの発芽のポイント発芽を揃えるコツは、まき溝と覆土が均一であることです。また播種後はしっかりと土を鎮圧し、水をたっぷりかけましょう。

園芸TOP >  > 第22回「ホウレンソづくりのワンポイント」
新規会員登録

全国のあすたいむ倶楽部