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第2回「ナスづくりのワンポイント」

■野菜は出身地が大事


とげなし千両二号

 野菜にもそれぞれ出身地(原産地)があります。生まれた土地で温度や湿度、日照、雨量などが違い、その気候が栽培するうえで大変参考になります。例えばトマトは、南米のアンデス山脈が原産地。標高が高いので強い日照、昼夜温度差が激しく、そのうえ乾燥している場所になります。したがって栽培も日照量が必要で、高温や雨が多いと病気が多発します。ナスは、インドが原産といわれており高温性ですが、乾燥を嫌い、土壌中の水分が少ないとなかなかうまく生育しないと言われています。

■栽培におすすめのナスの品種


庄屋大長


SL紫水

 日本では、すでに奈良時代には栽培された記録が残っており、それぞれの地域で長なすや丸なすなど独特の品種が伝わって栽培されています。西日本では耐暑性の強い長なすが、長卵形のナスは関西を中心として多いのが特徴です。
 栽培する品種は30cm以上の長さになる「庄屋大長」や、茎や葉にとげのない「とげなし千両二号」、浅漬けにすると最高の「SL紫水」がおすすめです。

■ナス栽培は、接ぎ木苗を利用しましょう

 ナス栽培のワンポイントは、接ぎ木苗を利用することです。土の病気(土壌病害)や、同じ場所に続けて栽培することで生育が悪くなる(連作障害)などには、接ぎ木した苗を植えるとよく育ちます。もともと接ぎ木の根の部分(台木)は、野生種を改良したものが多く、生育が旺盛で肥料を吸収する力が強くなることから、実がたくさんなってくれる効果もあります。苗は値段が高くなりますが、ぜひ利用するようにしましょう。
 そのうえで品質のよい果実を長く収穫するためには、1番はじめに取れる果実(一番果)の収穫後より、10~14日ごとに、速効性の化成肥料を施します。1株に軽く一つまみぐらいの量を与えます。果実には優先して吸収した栄養分が回り、葉や茎、根に負担がかかるので定期的に栄養を与えることで、草勢を保つようにします。また乾燥すると実が大きくならず、ボケナス(ツヤのない果実)が増えてしまいます。晴れの日が続くようであれば、水やりを積極的に行いましょう。

(タキイ種苗 広報出版部 奥本和夫)

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