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第35回「ミツバづくりのワンポイント」

■ミツバの種類


プランター栽培の青ミツバ

 数少ない日本原産の香味野菜で、もともと山野の半日陰の比較的湿度の高い所に自生しており、名前のように3つの葉があります。独特のさわやかな香りと歯ざわりがあり、お吸い物や蒸し物、和え物などで食され、上品な味わいを持ち日本料理に欠かせないものです。日当たりや水はけの悪い場所でも育てることができ、狭いスペースや日陰が多い所にも向きます。
 栽培されているミツバの種類には、関東を中心に春と秋に種子をまいて根株を養成し、この根株を掘り上げて伏せ込み、軟化床で萌芽させて収穫する切ミツバ栽培と、根株を掘り上げずに土寄せして軟化する根ミツバ栽培、関西では畑に種子を厚まきして自己軟白させ、茎が20〜25cmくらいになったら収穫する青ミツバがあります。青ミツバは、関東の軟化ミツバに比べて、葉や葉柄の緑が濃くなりますが近年、水耕栽培による青ミツバが周年スーパーなどに出回るようになっています。

■栽培におすすめのミツバの品種


白茎三ツ葉関東系


白茎三ツ葉関西系

 家庭菜園でおすすめの品種は、切ミツバや根ミツバに使われ抽苔が遅く、茎が純白で軟化した時に品質のよい「白茎三ツ葉関東系」と青ミツバに使われ抽苔はやや早いものの、葉色が鮮緑色で生育の早い「白茎三ツ葉関西系」になります。

■ミツバ栽培のワンポイント

 育てやすいのが青ミツバで、プランターでも簡単に栽培できます。栽培のコツは発芽をしっかりさせることで、条間を15cm程度にし、すじを切ってタネを播いていきます(条まき)。ミツバは他のセリ科と同様、光によって発芽が促進される「好光性種子」で、タネにかける覆土をなるべく薄くします。しかし覆土が薄いとタネが乾きやすくなり、発芽までの日数が10日〜2週間かかる場合もあります。なかなか発芽しなくてもあきらめず、乾燥させないようこまめに水やりを行なうようにしてください。ミツバは発芽するまでは気配りが必要ですが、発芽した以降はあまり手がかかりません。
 発芽後、細くてやわらかく育てるために込み合っている所だけ間引きします。生育中は乾燥しないように注意し、葉色を見ながら肥料切れにならないよう液肥を与えるようにしましょう。
 草丈が20cm程度になれば収穫をはじめ、その際、刈り取りは地際部で切らず3cm程度残した方が次の芽が早く出ます。収穫後に化成肥料などで追肥をすると生育スピードが早くなり、次の収穫までの期間が短くなります。香味野菜ですので少量あれば十分ですが、サラダなどの生食にも適してします。

(タキイ種苗 奥本和夫)

ミツバの摘葉・芽球処理結球が進むにつれて、下のほうの勢いの弱った葉から順次摘み取る

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