園芸TOP >  > 第26回「ズッキーニづくりのワンポイント」

第26回「ズッキーニづくりのワンポイント」

■ズッキーニの種類


ダイナー

 日本で栽培されているカボチャには、日本カボチャ、西洋カボチャ、ペポカボチャの3種に分けられます。原産地が中央アメリカ近辺のペポカボチャには「そうめんカボチャ(金糸瓜)」「おもちゃカボチャ」などがあり、ズッキーニもこのグループに入ります。
 ズッキーニには円筒形と円盤形(丸、卵形)がありますが、よく栽培されているのはキュウリを太くしたような円筒形になります。果実が未熟なうちに収穫して利用しますが、味は淡白であっさりしておりイタリア料理によく使われます。油炒めや揚げ物、グリル、トマトと煮込んだりするとおいしく食べることができます。花ズッキーニは花が開きかけた雌花、雄花を収穫したもので、花に詰めものをする料理に用いられます。

■栽培におすすめのズッキーニの品種


オーラム

 タキイでおすすめする品種は、各節から連続して雌花が咲き、果皮は濃緑で霜降り斑がはいる「ダイナー」、草姿はつるなしで節間が詰まっており、黄金の果皮で色合いも楽しめる「オーラム」になります。

■ズッキーニ栽培のワンポイント

 生育適温は果菜類の中ではもっとも低く18〜23℃で、暑さには弱い野菜です。9cmポットに3〜4粒ほどまき、子葉が展開したときに2本に、本葉1枚のときに1本に間引きします。1カ月ほど育苗して本葉3、4枚で定植します。生育すると大きな葉になるので、うね幅150m、株間は100cm程度で植え付けます。
 普通のカボチャと違いつるは伸びませんが、主枝が伸びて倒れてしまうので支柱を利用するようにしましょう。草丈が40〜50cm程度で太くて丈夫な支柱に誘引し、主枝が折れるのを防ぎます。ズッキーニは主枝が折れてしまうと、ほとんど側枝が出てこないので注意が必要です。
本葉6、7枚まではほとんど雄花しかつきませんが、その後雌花が増えてきます。朝9時ごろまで、雌花に雄花の花粉をつける人工交配をすると着果がスムーズにいきます。「ダイナー」は雄花が少ないので、雄花の多い「オーラム」を一緒に栽培するとうまく交配がすすみ果実が多く取れます。なお肥料や水分が多い時は草勢が強くなって落花しやすくなり、日照不足でも落花が多くなります。
 果実の長さが15〜20cmで、開花後4〜5日の未熟果を収穫します。収穫が遅れると果肉が硬くなり料理に適さなくなります。収穫が始まれば、追肥を2〜3週間程度で定期的に行い、草勢を保つようにします。生育が進めば古くなった葉を摘葉することで、採光性や風通しがよくなってよい果実が期待できます。1度にたくさん摘葉すると草勢がおちるので、1回に2枚程度にしましょう。

(タキイ種苗 奥本和夫)

<支柱立てと仕立て方>主枝が支柱より高くなったら、一度支柱から外し、支柱を移動させて再び誘引する。生育に合わせて支柱を移動させる追肥の場所は、中心から外へ移していく。

園芸TOP >  > 第26回「ズッキーニづくりのワンポイント」
新規会員登録

全国のあすたいむ倶楽部