トウガラシは香辛料(スパイス)として、世界中に利用されている作物です。世界的に消費量が多いのは「中国」「韓国」「タイ」「インドネシア」「インド」「メキシコ」などで、いずれの国も辛い料理が有名です。中南米の熱帯地域が原産といわれ、コロンブスによってヨーロッパにもたらされました。日本には戦国時代に伝わったとされ、地方によっては“南蛮(なんばん)”や”胡椒(こしょう)”とも呼ばれています。
辛み成分のカプサイシンが出来るものをトウガラシ、カプサイシンを生成しないものをピーマンと区別しています。「万願寺」に代表される甘長トウガラシや「ししとう」はストレスなどを感じるとカプサイシンを生成し、辛くなるときがあります。カプサイシンは脂肪を燃焼し、発汗作用を促す効果があります。一度に大量に摂取するのではなく、少しずつコンスタントに摂ることで健康増進に役立ちます。
伏見甘長
タキイでおすすめする品種は、日本のトウガラシの代表的な品種で、細小型の熟果は光沢のある深赤色になる「鷹の爪」、長さが13〜15cmの細長果で、青果は辛みが少なく赤くなると辛みが強くなる「日光」、10〜12cmの細長果で、辛みが少なく色々な料理に使える「伏見甘長」になります。
トウガラシの栽培は、基本的にピーマンと同じですが、病害虫の発生が少なく比較的作りやすい野菜です。1本でもかなりの量が取れますので、利用する分を考えながら栽培する本数を決めるとよいでしょう。高温を好むので5月に入ってから、苗を株間40cm程度で植え付けます。根が浅い所に分布するため乾燥に弱いので、黒マルチなどを利用すると乾燥防止になります。
一番花より下についた葉のつけねに出てくるわき芽(側枝)は、早めに取り除きます。これをそのままにしておくと養分を取られ、株全体が弱ってしまいます。また伸びた側枝が風通しを悪くしたり、地面について病気の発生が多くなるので必ず取るようにしましょう。
追肥を2〜3週間おきで定期的に行い、草勢を保つようにします。
開花後2週間程度で青とうがらしが、8週間以上経過すると赤くなって熟果が収穫できます。辛みの強い品種は、素手でふれるとヒリヒリ痛むことがあるので手袋をして収穫するとよいでしょう。
葉トウガラシはトウガラシの若い葉を摘みとり、炒ったものを佃煮などにします。果実が青く小さいものも一緒に入れるとピリッとした辛さが増し、夏でも食欲を旺盛にします。
(タキイ種苗 奥本和夫)
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