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第18回「マクワづくりのワンポイント」

■マクワの種類


金太郎

 日本でのマクワウリの歴史は古く、古事記や万葉集などにもその記載が残っています。江戸時代には夏の水菓子として広く庶民に食べられ、甘味を感じる果実として盛んに栽培されました。メロンの先祖からマクワとシロウリが分化したと考えられており、両方とも似た性質持っています。一説によるとマクワの名は、中世に真桑村(岐阜県本巣市)で作られていたものの評判がよかったことからその名が付いたといわれています。
 昭和37年にマクワを母親にした「プリンス」メロンが登場すると、甘みが強いなどの理由でマクワに取って替わり、現在では高級感のあるネットメロンが主流になっています。
しかし家庭菜園では、懐かしい味と香りを楽しむことができ、メロンより栽培しやすいためまだまだ人気があります。

■栽培におすすめのマクワの品種


金俵


銀泉

 タキイでおすすめする品種は、生育旺盛で作りやすく、マクワ特有の香りがあり甘みの強い「金太郎」、サクサクとした肉質で食味がよく、甘みと香りがよい「金俵」、果実に線が入り、糖度が高くて歯切れのよい「銀泉」になります。

■マクワ栽培のワンポイント

 マクワは日当たりがよく、水はけのよい畑を選びます。つるがどんどん伸びていくので広めに栽培し、うね幅2m、株間1m程度で植え付けます。マルチ栽培や雨よけにトンネル支柱を利用しビニールをかけると初期生育がスムーズになります。
 マクワはシロウリと同じように、親づるや子づるに雌花がほとんどつかず、孫づるの1、2節に雌花をつける性質をもちます。そのため果実をたくさん収穫するには、つるの整理(整枝)が必要になります。親づるが本葉5〜6枚の時に生長点を取り(摘心)、生育のよい子づるを3〜4本伸ばします。その子づるを8〜10節ぐらいで摘心し、孫づるの発生させます。孫づるは葉を4〜5枚残して摘心し、1つるに3果程度着果させます。
 つるの整理(整枝)が遅れると着果が悪くなるうえ、次々とつるが発生して過繁茂になり果実の着色も悪くなります。
 追肥は子づるが60cm程度の時と1番果が着果した時に、つる先に行います。ウリ類は、つるの先と根の先がほぼ同じように生長するので、つる先に追肥を行なうと効果的です。
 収穫の目安としては、果皮の黄色と芳香が強くなったタイミングになります。完熟した果実を収穫するようにし、2〜3時間冷蔵庫で冷やすとおいしく食べることができます。

(タキイ種苗 広報出版部 奥本和夫)

(1)マクワウリの整枝生育のよい子づるを3〜4本伸ばす(2)収穫果皮の黄色が濃くなり、果実からの芳香が強くなったときに収穫する

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