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第31回「ラッキョウづくりのワンポイント」

■ラッキョウの種類


福井らっきょう

 ラッキョウは北海道から沖縄まで、全国どこでも栽培することができ、とても環境適応性が広い野菜です。吸肥力が強くやせ地や乾燥地でもよく育つので、日本では砂丘地で多く栽培されています。
 日本のラッキョウ栽培品種は、花は咲きますが4倍体(染色体が通常の2倍あること)のため種子ができないので、球(りん茎)で増やします。栄養生殖するため、品種数も少なく数える程しかありません。その中でも代表的な品種「らくだ」は、地名をつけた在来種(福井在来や鳥取在来など)になっています。
 日本でエシャロットと呼ばれるものは、ラッキョウを土寄せして茎部を軟白し、やわらかい葉つきで若どりしたものになります。
 ネギと同じユリ科で、硫化アリルという成分をもちます。食欲の増進と消化不良の改善にも効果があるといわれ、カレーの箸休めとして食べるのは胃の働きを補う役目もあります。

■栽培におすすめのラッキョウの品種


島らっきょう

 家庭菜園でおすすめの品種は、球は6~10gで、肥沃地では10g以上になる「福井らっきょう」、沖縄在来種で小粒ですが、香りが強く肉質がしまった「島らっきょう」になります。

■ラッキョウ栽培のワンポイント

 8〜9月に定植して翌年の6〜7月に収穫しますが、そのまま据え置いて3年目の6〜7月に収穫する二年子栽培もあります。3年目の収穫は分球が多くなり数が増えますが、球は小さくなります。この2〜3gの小粒のものが、「花らっきょう」として利用されます。
 栽培は簡単で一度植え付けてしまえば、栽培期間は長いですが収穫までの管理は多くありません。ラッキョウの根は垂直に深く張りやすいので、できるだけ深くまで耕します。また通気性のよい畑を好むので、地下水が高かったり、排水の悪い畑では病気が発生しやすいのでうねを10〜20cmの高さにするとよいでしょう。
 定植は条間30cm、株間10cmで、1球ずつ(小さな球は2球)を深さ7〜10cmの植え穴に植え付けます。植え付けが浅いと乾燥してネダニが発生しやすいので注意が必要です。
 10〜11月にかけて花茎が伸びて花が咲きますが、養分を取られてしまうので早めに摘み取るようにしましょう。追肥は10月に1回目を行い、2月、3月にそれぞれ施用します。
 3〜4月ごろ葉が旺盛に生育してくれば株元に土寄せを行います。土寄せをしないと球が緑色になり、球の形も悪くなるので注意が必要です。球の肥大時には水分が必要になるので、乾燥している時は水やりを行なうとスムーズに生育が進みます。
 暑さに弱いので6、7月に葉が枯れてきますが、これが収穫の目安になります。

(タキイ種苗 奥本和夫)

ラッキョウの収穫。翌年の6月〜7月、長卵形に肥大し、球の芯の青みがごく少なくなったころ、葉が完全に枯れる前に収穫する。鎌などで葉を刈り取り、鍬で球を掘りあげる

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