園芸TOP >  > 第36回「ミニトマトづくりのワンポイント」

第36回「ミニトマトづくりのワンポイント」

■ミニトマトの種類


CFココ

 ミニトマトは、1口サイズの食べやすさと高い糖度で子どもに人気があり、鮮やかな色や大きさからお弁当の一品としてよく利用されています。家庭菜園では大玉トマトより失敗が少なく、着果もよいため果実がたくさん収穫できます。初心者でも比較的栽培しやすいので、こちらでも人気が高くなっています。
 現在、ミニトマトは赤色が主流となっていますが、他にもピンク、黄色、オレンジ色などバリエーションが豊富になっており、いろいろな品種を栽培して楽しむことができます。栄養も豊富で、リコピン、カロテン、ビタミンCが多く含まれおり機能性にすぐれた野菜です。
 トマトは南米のアンデス山脈が原産地で、もともと小さな果実でした。アンデスは標高が高いので、強い日照と昼夜温差が激しく、そのうえ乾燥している場所になります。栽培条件が反対の気候になる、高温や雨が多いと病気が多発します。野菜の中でも特に日照を好むため、曇天が1週間も続くと生育が悪くなり花が落ちてしまうことがあります。また水分が多いと裂果が多くなり栽培管理が難しいため、生産者は農業用ビニールなどを使った雨よけ栽培が主流になっています。

■栽培におすすめのミニトマトの品種


CF千果


オレンジ千果

 家庭菜園でおすすめの品種は、糖度が高くて食味のよい高品質のミニトマト「CF千果」、果色が珍しいオレンジ色で、普通の赤品種に比べてカロテン含有が約3倍の「オレンジ千果」、果実が20〜25gと1回り大きく、葉かび病に強い「CFココ」になります。

■ミニトマト栽培のワンポイント

 ミニトマト栽培のポイントは、主枝を支柱に添わせながら誘引し1本仕立てにします。葉のつけ根にできる芽(わき芽)は伸びが早いので、小さいうち(5cm程度まで)に手でかき取とります。特に果房の下(花が咲く)のわき芽は、栄養分が多く流入して大きくなりやすいので、早めにかき取るようにしましょう。そのまま、わき芽をとらず放任するとジャングル状態になり、果実も小さくなってうまく栽培できません。
 また、はじめから土に施す肥料(元肥)を少なくして、4段目の花が咲くころに1回目の追肥を与えるようにしましょう。大玉トマトは3段目開花が目安ですが、ミニトマトはもともと草勢が強いため少し遅らせます。以後20日おきに追肥をするようにします。1株につき速効性の化成肥料を軽く一つまみ程度を与えます。同時に水やりをすると、速やかに肥料が溶けて効きがよくなります。
 盛夏になると、高温や直射日光が原因で裂果が多くなるので注意が必要です。果実を葉で覆うように遮光し、急激な水分の変化を少なくするようにしましょう。

(タキイ種苗 奥本和夫)

ミニトマトの芽かき適切な栄養生長をしていれば、わき芽は小さいうちに除去するのが基本。もしも忙しくて、芽かき作業が遅れている場合は、先に果房直下の旺盛な側枝を除去します。その後、ほかのわき芽を取るようにします。ミニトマトの誘引主枝を支柱に誘引していきます。生育するとだんだん茎が太くなるので、「8の字」に縛り、ゆとりをもたせておきます。

園芸TOP >  > 第36回「ミニトマトづくりのワンポイント」
新規会員登録

全国のあすたいむ倶楽部