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第14回「サツマイモづくりのワンポイント」

■サツマイモの種類


高系14号

 サツマイモは中央アメリカ原産で、雨の少ない熱帯地域で育ったことから高温や乾燥に強いうえ、栄養分の少ないやせた土地でもよく育ちます。昔は飢饉の年には多くの人を救ったため「救荒作物」と呼ばれています。栄養価も高くビタミンCや食物繊維が豊富でとってもヘルシーな作物です。
 中国では”甘藷”と漢字が使われており、日本でもカンショと呼びます。沖縄や鹿児島、長崎では、中国から伝わったということで”唐芋(カライモ)”、それ以外の地域では、薩摩の国から来たイモということで“サツマイモ”と呼ばれています。
 サツマイモの味は甘みと食感が大事ですが、食感に関しては地域で好みが分かれるようです。関東ではホクホク感が、西日本でも九州や沖縄はしっとりとした食感を好む傾向があります。

■栽培におすすめのサツマイモの品種


紅あずま


パープルスイートロード

 家庭菜園でおすすめの品種は、上品な甘さとなめらかな舌触りを持ち、焼きイモ、蒸しイモに向く「高系14号」、関東の代表的な品種で、食味が極めてよく加熱すると甘みが増す焼きイモの定番品種「紅あずま」、あっさりした甘さでホクホク感があり、アントシアンがたっぷりの紫イモ「パープルスイートロード」になります。

■サツマイモ栽培のワンポイント

 畑作する作物の中では、連作障害が起きにくく、もっとも乾燥には強い作物です。しかし水はけが悪い場所で、長雨などで冠水してしまうと枯死する場合もあります。また日照を好みますが、日陰ではイモの肥大も劣りデンプン含有量が少なくなり食感も悪くなります。
 販売されている苗(ツル)を買うか、メリクロン苗(ウィルスフリー苗)と呼ばれるポット苗を購入して大きめの鉢に植え替え、本葉7〜8枚の時に中心の葉を摘み取って、節からツルを出させた上で、8節以上伸びたら切り取って植え付ける方法があります(1ポットから7〜8本のツルが取れる)。
 サツマイモは、土に埋めた茎の節から出た根がイモに生長します。株間は30cm程度で植え付けます。
 サツマイモの根は、肥料成分を吸収する能力が高く、深く張るので施肥量が少なくてすむ作物です。栽培する際に気を付けたいのが「つるぼけ」です。チッソ分の与えすぎで茎や葉ばかりが育ち、肝心のイモが太らない現象です。対策としてチッソ成分で10㎡あたり30〜60gを目安に元肥を減らすか、家庭菜園を何年もしている畑では、無肥料でも構いません。イモをたくさん収穫するには、なるべくたくさんの土を盛って高うねにするとよいでしょう。
 霜があたると寒さでイモが腐ってしまうので、栽培する場所の初霜が降る前までに収穫するようにします。

(タキイ種苗 広報出版部 奥本和夫)

サツマイモ苗の植え付け切り口に近い2〜3節から出る根がイモをつけやすいので、必ず2〜3節は土の中に埋めます。各節の葉は、葉身を土の外に出すようにしましょう。深さ5〜10cmの溝を切って、苗を水平にして植え付ける「水平植え」と呼ばれる方法が一般的です。

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